日輪の遺産

先日facebookの友達のTさんが「日輪の遺産」を読んでとても感動したという投稿を読んで、私も読んだ。(「読んだ」のメタ的表現になってしまいました)

「行くえ知れずになった野口先生のことは禁句だった」という文章から始まるこの小説は、終戦直前の帝国陸軍の陰謀と半世紀後に登場する人物とが、物語が展開するにつれ、見えない糸で引き寄せられるように密接に関係してくる。「えっ!そうなの?」が何か所も。

浅田次郎特有の歴史的事実とフィクションが絡み合って、映画を観ているような臨場感がある。陰謀に巻き込まれた女学生や陰謀を遂行した軍人の運命に何とも言えない物哀しさとせつなさを感じた。

映画といえば、昨年映画化されている。今度DVDでレンタルされたら観てみよう。